第1回 風雅システム杯争奪 クリスマスケーキ早食いバトル
 問答無用のクリスマスケーキ早喰いパーティーが暮れに風雅システム第三開発室で行われた。以下はその顛末である。

 十二月二十二日午後六時。風雅セレクション1の山で埋まった第三開発室に、風雅クラブからの有志2名が鎮座していた。おなじみNo.31東京都山本礼貴と初来社No.91横浜市鈴木Jである。が、安芸出がまだ来ない。杉之原名人も買い出しを終えやってきた。と、ガタガタと派手な音をたてながら巨大な物体が華奢な階段を上ってくるのが見えた。三人連れのNo.19安芸出である。こちらも常連のNo.77塩野裕一を引き連れている。来年には社員になる予定のNo.61藤田晃も準備万端である。さて、あとは水物のMAX大村No.7650である。なんでも仕事の都合で遅れてくると言っていたが………やってきた。

 全員がそろった。100%の出席率である。息を切らせているMAX大村をよそに、早喰い大会の舞台が作成された。参加者は次の通り。

 ◎安芸 出

 ○MAX大村

 ・山本 礼貴(REKI)

 ・鈴木 J(ディクト)

 ・藤田 晃(くりっく藤田)

 参加者の前に出されたのは大型のイチゴショートとシャンメリーである。やはりケーキ1つだけでは寂しいから……という配慮である。だが、これには大いなる策略が秘められていたのである。

 さて、ルールである。審判の合図とともに開始。食べる順番などは一切自由。口の中が空になった時点で手を挙げる。一着から順に、30PTS.、13PTS.、4.7PTS.が贈られる。四着以降は0PTS.である。ポイント稼ぎバトルロイヤルに巨大な影響を及ぼす一戦である。

 さて、秒読みの開始である。全員、ケーキのビニールはがしやシャンメリーの栓抜きに余念がない。杉之原名人の右手が上がった。

 「用意………はじめっ!」

 早い!MAX大村のシャンメリーを飲む早さは異常というより他ない。だが、安芸はケーキをひと飲みである。

 十数秒で勝敗が決まった。一着……やはり強い安芸出。

二着……これも強いMAX大村。

三着……場数の勝利藤田晃。

四着……残念!山本礼貴。

五着……これが現実、鈴木J。

 なんと大方の予測通りの結果に終わってしまった。やはり安芸&MAX大村の壁は厚かったのか。無念、山本、無念、鈴木。

 ………で、終わるほど風雅クラブは甘くも辛くもない。 「では、予行演習はこれくらいにして本戦いきます。」

杉之原審判の冷酷&救いの一声。そう、そんなにあっさりと決着がついたのでは面白くない。楽しみは長〜くとっておくものである。

 青ざめる参加者の前に本戦のアイテム『チョコレートショート』が並べられた。炭酸ガスを吐きまくる面々。勝負の世界は冷酷なのだ。

 間髪を入れずに本戦の開始である。

 「用意……はじめっ!」

生クリームたっぷり+強烈炭酸のあとのチョコレートは並みの胃袋の受けつけるところではない。『暴れる胃袋をいかに押さえつけるか』これが勝敗を左右する。

 次が本戦の結果である。

一着……安芸出 +30

二着……山本礼貴 +13

三着……鈴木J +4.7

四着……MAX大村 +0

五着……藤田晃 +0

 みごとに体格の順になってしまった。やはり耐久力の勝負になったようである。安芸の王位は不動。MAX大村は『鉄の食道・ガラスの胃』といった感じだ。しかし礼貴と順一も大健闘である。特に礼貴の+13PTS.は大きい。安芸はもともと0PTS.なので敵ではなかろう。

 闘い終わって一息ついて、お祭り人間安芸出の出番である。彼は袋いっぱいのクラッカーを持ってきたのである。第三開発室は爆音と紙テープと煙硝の臭いに包まれた。そのあとはクレージーストリングのかけ合いで大騒ぎである。紅一点ナース美香が狙われたのは言うまでもない。

 次はじゃんけん大会である。ドッター藤田晃が景品を持ってきたのだ。総勢12名がペアで一回戦。二回戦が6名の一斉勝負である。ところが二回戦は一発で勝敗が決した。杉之原名人がチョキひとつでパー5つを一掃したのである。だが、その強さの原因は次の瞬間明らかになった。ドッター藤田の持ってきた景品を開けてみると、中身は『カエルのぬいぐるみ』だったのである。名人がカエルを手に入れたのではなく、カエルの方が名人のもとへと行きたがっていたらしいのだ。全員それで納得した………。

 最後は近くのココスでディナーである。楽しいひとときが過ぎた。その後、礼貴は杉之原名人宅で、順一はT・風牙賊宅でそれぞれ一泊。二人とも翌日昼頃に帰途についた。そのころ編集長いもくんが超年下の彼女といんぐりもんぐりしていたことはあまり知られていない。


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