浜名湖の南端、太平洋から少し入ったところに鎮座している古社、岐佐神社。当杉原神社同様、延喜式神名帳にその社名が記載されている「延喜式内社」の一社です。この神社の存在を知ったとき、『絶対に行きたい!』と何故か心の底で湧き上がる思いがあったのです。理由は未だに分かりませんが、ご祭神や由緒に大きな興味を抱いたのです。
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岐佐神社に祀られている神は「蚶貝比売命(きさがいひめのみこと)」と「蛤貝比売命(うむがいひめのみこと)」という女神様方です。それぞれ「赤貝」と「蛤(はまぐり)」の神とされています。全国の神社を調べてみても、この女神様方を祀っている神社は出雲大社以外にはここだけのようです。
なぜ、出雲大社には祀られているのかというと、この女神様方が意地悪な兄たちの陰謀で大火傷を負い、それが原因で命を落としてしまった大國主神を生き返らせたからです。あの大國主神の命の恩人なのですね。まあ、大國主様は他にも須勢理姫命様やネズミにも命を助けられていますけどね。つまり、誰もが助けたくなるほどに魅力的で立派な神様ということなのです。
少々話は逸れますが、この古事記にも出てくる大國主神にまつわる話ですが、偉大な大國主様が何の迷いもなく女性や動物などの助けをありがたく受け入れているところが重要です。私たちも目的のために人の助けを素直に受け入れる度量を養うことが大切なのです。変に意地を張ったり、遠慮したりすることは決して良い結果には繋がらないという教えと捉えることができます。
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岐佐神社の敷地は決して広くはありませんが、境内も社殿も綺麗に整えられており、 とても気持ちの良い空間が作られていました。外からは分かりにくいですが、写真のように拝殿の中も明るく清潔に保たれています。宮司さんや氏子の方々の思いが反映されているのが良く分かります。
境内には榎(えのき)と槇(まき)が連理の状態になった「縁結びの木」【下写真】や兄神の八十神たちが大國主様に向けて猪と偽って落としたとされる「赤猪石(あかいし)」が祀られています。また、拝殿前には御神木とされる松の大樹もその存在をアピールしていました。
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参拝を終えた後、社務所に寄って岐佐神社のお神札を受けていこうと思い、手水舎の奧にある青年会館に併設された授与所に向かいました。授与所の呼鈴を鳴らすとラフな姿の実年男性が出てきてくださいました。
「こんな格好してますが、宮司でございます。」
とのこと。宮司さんが直々に授与所に立ってくださるとは、これは間違いなく幸運です。すると、同行していた当社の職員が、
「こんな格好しておりますが、こちらも宮司でございます。」
と、私の素性を明かしてしまいました。実はそのときの私の格好が、ジーンズに大きなカエルの刺繍の入ったスカジャン姿だったのです。とても還暦過ぎの宮司とは思えないような格好だったので、素性がバレて目が泳いでしまいました。
しかし、こうなってしまっては開き直るしかありません。宮司らしからぬ姿をした二人の会話が始まります。まず名刺を交換し、お互い間違いなく宮司であることが確認されます。こちらが富山県から来たと伝えると、
「富山県と言えば、○○さんはご存じですか?」
「あ、はい、よく存じ上げています。仲良くさせていただいています。」
「○○さんには□□神社で一緒に働いていたとき大変お世話になったのです。」
ここで思いがけず共通の知人神職の話題に。そこからお互いの年齢もほぼ同じであることが判明し、会話が弾みます。表題の通り、まさに「縁」を感じることになったのです。
『また静岡に行く機会を作って参拝してこよう・・・・』
と目論んでいる今日この頃なのです。
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岐佐神社の住所は 、静岡県浜松市西区舞阪町舞阪1973。普通車15台分の参拝者専用駐車場が鳥居の前、道路を挟んだ向かい側にあります。周辺の道路は狭く一方通行も多いため、ナビがあってもなかなかすんなりとは辿り着けないかもしれません。事実、私たちも周辺を二周ほどしてやっと到着できました。しかし、その苦労も報われるほどの優しい御神気の女神様方に会えますので、ぜひ機会を作ってご参拝なさることをおすすめいたします。〒939-2304
富山県富山市八尾町黒田3166
TEL 076-454-3501
FAX 076-413-3031
授与所受付:
午前9時〜午後6時 年中無休