風雅恐怖新聞
こっくりさん by No.427 義妹候補
 うちの母校(●園)はいっぱいいるらしいです。私は、見えないんでなんともないんですが、見えると言ってる友人達は頭を抱えてます。なんでも、気分が悪くなると寄ってくるんだそうで。その中で一番びっくりしたのは「コックリさん」を部室でやっていたときのことでした。
 大概は、モノノケとか、下級の霊しかでてこないと言われる「コックリさん」で、うちの友だちのおばあさんが出ていらっしゃったのです。最初はどなたか分からず、色々と質問してみるとそれがうちの同級生のおばあさんだって分かったんです。中心になってやっていた子が

  「何か伝えたいことがあってここへおいでになったのですか?」

と聞くと

  「はい」

と答えられました。

 んでまたよくよく聞いてみると、おばあさんの娘。つまり友人の母親が病気になるから気をつけなさいとおっしゃるのです。

  「どうすれば防げるか?」

と聞いたら

  「栄養のある物を」

とのことでした。
 そのほか、半信半疑だった私たちは色々と質問して、その子も、うろ覚えのような親戚の話や、その子の家族しか知らないような、彼女の母親の誕生日や、血液型まで言い当てるのを目の当たりにしたのです。その友人は、その出てこられた霊が自分の「祖母」と確信して、大泣きしていました。
 その日の中心になってやってた子が、もうやめようと言うのに、他の子が調子に乗りもう一度「コックリさん」を始めると出てきた他の霊は、誰とも名乗らずいきなり、質問もしないのに参加している子の指を引っ張り(と表現すればいいんでしょうか?)

  「いいかげんにしろ」

  「おまえたちこわくないのか」

と動き、参加してる内の一人がびっくりして手を離してしまいそのまま、無理矢理帰す手続きというのか鳥居のマークまで強制的に十円玉を戻して終わりました。
 私は見ていただけでしたが、やっぱり恐かったですね。


倒産 by No.270 Schwarz Ritter
 私のPCー9801EX2は1992年のあつい8月30日に逝っていしまった…それも某パソコンショップのせいである!

 私のPC-9801EX2はアマランスKをしている最中にケムリを吹くというナゾの事故が起き、その後、ウンともスンともいわなくなってしまったのでこの某パソコンショップに修理に出しにいったのである。そこの店員は、

  「2週間で返ってくると思いますので、2週間後に来てください。また、その他何かありましたら連絡いたします。」

と、言っていたので安心してその場は帰った………がしかし、2週間後その店頭に行った途端、私は石化してしまった…「○○○○は倒産しました」とハリガミがしてあり、その周囲には「金返せ!」、「オレのパソコンを返せ!」といったたぐいのはり紙があった。私はボーゼンとしてしまったが、もう一つの事実に気がついてさらにガクゼンとした。そう、アマランスKも一緒にあずけていたのである。
 私はその後PC-9801EX2とアマランスKを取り戻すべく努力をしたが、店長、経営者ともに夜逃げをしており、私は泣き寝入りをするしかなかった。
 これが私を襲ったPC-9801の悲劇である。


光 by No.16 MInas Tirith
 それは10数年前……
 その頃俺はまだかわいらしい幼稚園児だった。ある日俺は一人、茶の間でTVアニメを見ていた。そしてその番組が終わり、ふと視線を窓に移した。――窓にはまだ、カーテンが引いていなかった。

  「!!

俺は絶句した。なぜなら窓の奥に広がる暗闇と対照的な白いカゲ(人型のだ)が窓の外から俺を見つめていたのだ。そのまま数秒の時が流れた。

  「わあああああっっ!」

 ようやく呪縛から解き放たれた俺は一目散に台所へダッシュした(逃げたとも言う)。そこには夕食の準備をしている母と母にへばりついている2人の妹の姿があった。母は血相を変えて走ってきた俺の方へ向き何か言った(忘れたけど)。
 とにかく俺はそこで動悸を静めようと試みた。大きく深呼吸をすると俺はおそるおそる茶の間へ向かった。そっと仕切り用のカーテンをめくり部屋、ついで窓に目を移した。そこには当然ながら何もいなかった。ただCMが窓に反射して鏡像を写しているだけであった。


追われる by No.209 M.S
 正確には憶えていませんが、あれはまだ私が3才くらいの頃のだったと思います。誰でも一度は幽霊に追い回されるような夢を見た経験があると思いますが、この頃の私は実によく、そういった夢を見ていました。しかも、幽霊が出て来て追い回される場所はいつも同じ、親戚の家に行く途中にある鉄道の陸橋の下でした。幽霊の姿は、よくある白い服に青白い手と顔。しかし、どんな顔かはよくわかりませんでした。
 こんな夢が何日か続いたある日、その夜もやはり同じ夢を見ました。ただ、いつもは追いかけられて捕まりそうになると必ず目が覚めるのに、その夜の幽霊は、私の前に立ちはだかり、にたりと笑ったのです。顔はぼやけて見えないのですが、確かに『そいつ』は笑ったのです。当時、まだ幼かった私は、恐怖のあまり、大声で泣き叫びました。
 そこで、ふっと目が覚めて、気がつくと布団の中。夢だったのか、と思い顔を上げると目の前に『そいつ』の顔が浮んでいて、にたりと笑い私に向かって飛んできたのです!私はあまりのことに声も出ず、布団にもぐり込むと、そのまま何分か布団の中で震えていました。やがて、私の様子がおかしいのに気づいた母が起きて、泣いている私をなだめたのですが、その時には、もう『そいつ』はどこにもいませんでした。
 それ以来、二度と『そいつ』は夢にも現実にも現われなくなりました。母は夢だろうと言い、私も今ではあれは夢の延長か、錯覚だったのだろうと思っています。しかし、当時3才の子供だった私にしてみれば、当分眠るのが恐くなるほど恐ろしかったことを憶えています。


寮 by No.545 AQUA
 唐突ですが、私が通っている高校には、寮というものがあります。この怖い話は、その寮の話です。
 昔、まだ戦争中だったころ学校の側で空襲があり、たくさんの死者がでました。そのため、死体をおく場所が足りなくなり、仕方なく空いてる寮を使うことになったのです。
 寮の一つの部屋《物置部屋》だけを除いてすべての部屋が使われました…。ただ、この物置部屋も、寮の前で車とバイクの交通事故が起きたときに、バイクが部屋に飛び込んできて、そこで、人が死んでしまったということがあったのだが……。そのためか、この寮で写真を撮ると心霊写真《私は見たことがない》になるそうです。
 さて、もしあなたがこの寮に住むことになったら、どの部屋に住みたいですか?………私は住みたくありませんが。

P.S. 寮《この話に出てきたものの他にも寮はある》はあと2年程で使われなくなります。


手 by No.38 T.M
 朝6時、冬の朝は暗い。去年、新聞配達をしていた頃、真っ暗なマンションの通路でひたすら配る。

  「あれ?」

 私は、なかなか開かないドアポストの差し出し口に困った。そして、口をがばっと開けて新聞を入れようとしたとき、

  「ギョエ〜〜」

 私は心の中で叫び(声が出ないとはこういうものなのかとこのとき痛感した)後ずさりした。
 私の見たものは、ポストの中でうごめくマニキュアをぬった女の手だった。
 しばらく(1分ぐらい)するとドアが開き、その部屋の奥さんが

  「あらごくろうさま」

と、恐怖におののく私の心の内も知らず、手に持っていた新聞をそのマニキュアをぬった手で奪っていった。


プール by Y13 アルカイックスマいる
 私の母校、西●治中学校に伝わる恐怖話しを送ります。

 何年も前の話なのですが、この中学校のプールは校庭の端の方にあります。フェンスの壁を一枚隔てた外側には、大●保自衛隊の官舎が立ち並んでおり、そのフェンスを乗り越えれば、容易に校内に入れるのです。古い中学校ですので、今も昔もそれは変わっていません。
 さて、事件が起こったのは、とある夏の夜のこと。ご存じ、京都の夏は大変に蒸し暑く、カラッとした南国の暑さに比べ性質が悪いものなのです。当時、官舎の近くにたむろしていた若者たちがこの中学校のプールの存在に気を留め、フェンスを乗り越えて涼みに入ろうということになったのです。折りしも、その夜は満月。安全面の心配は、まず無かったのでしょう。五人ばかりがフェンスを乗り越え、心地良く夜のプールに飛び込みました。
 夢中になって泳いでいたのでしょう。若者たちはお互いの存在をも忘れ、かなりの長時間、水の中で遊び回りました。
 さすがに彼等も疲れてきたのでしょう。やがて一人がプールサイドに上がり、そして二人目、三人目………

  「あれ?」

 四人目が水から出たとき、皆は妙なことに仲間が一人いないことに気付きました。

  「あいつ、帰ったの?」

  「いや、俺は見てねェよ」

  「あれェ?」

 プールを見ても、誰もいません。

 翌日、プールの最深部に、立ったままの若者の水死体が発見されました。なぜか多量の頭髪が排水口の網の目状の金属タイルと若者の足にからまっていたそうです。


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