その1
私の某友人Aは、とっても霊感が強いらしい。
ある日の事だった。朝、学校に行く道すがら、彼女はこんな話しをしてくれたのだ。
その日彼女は夢を見たそうだ。何もない真っ黒な空間に机と水晶球、そして彼女が、何故か占い師になって、椅子に座っていたという。すると一人の女性が現れた。今にも倒れそうな青い顔をしていたが、美しい女性だったらしい。その女性はAに向かって沈みがちな声で
「わたしを助けて下さい」
と言った。するとAは何故かつき放すように
「ダメだね、あんたは助からないよ」
と言ってしまったのだ。女性は語気を慌げ、
「どうして?どうして助からないの!私を助けてよ!ねえ!!」
とAに言う。Aは
「ダメなものはダメ。あんたは絶対に助からない」
と冷たく言う。すると女性は立ち上がった。
「あぁ、早く助けて、たすけて!お願いよ…だって…早くしてくれないと…・」
そう言って、今まで隠していた右手を女性は机の上に出した。その手に、親指だけがなかったのだ。指の切れた所からは鮮血が流れている。真っ黒な世界に、その赤色だけが妙にあざやかだったとAは語っていたが…。
女性は、
「早く助けてよッ!でないと…ホラ」
叫んだとたん、右手の人指し指が根元から切れ、突然落ちた。血があふれだす。それを見てもAは全く反応せず
「そんなこと言ったって助からないものは助からないわ。あきらめなさいよ」
と女性に言った。女性の指は、それからどんどん落ちていき、しまいには右も左も全く指のない手になってしまった。
「何とかしてッ!ねぇ何とかしてッ!」
そう女性が叫んだ途端、左腕が切れてドサッと落ちた。女性は涙を流して
「早く助けて!」
とAに飛びかかろうとした。それをAは手で払いのけて、床に叩きつけてしまうのだ。
「助からないって言ってんでしょ!近づくんじゃないよ!」
Aがそう言うと、女性の体は真っ黒な床(?)にへばりついたまま、くさっていってしまった……。
そこでAは目をさました。あまりに気持ち悪い夢だったので、布団の中で目をあけてボーッとしていたら、突然、目線の所に夢のなかの女性が現れたのだ!Aが生きをのんだ瞬間、女性はAの首をしめ上げた。Aははねのけようとしたが、体が動かず、なすがままだったらしい。その時女性が
「あんたは、助からないわ」
と呟いていたという。
そして、だんだん気が遠くなって…気付いた時は朝だったんだって。
朝食のとき、Aのお母さんが「昨日の2時頃、何やってたの?物音がしてたみたいだけど」とAに言ったと…。
その2
私の某友人Bは、かなり奇特な奴、前から金縛りに一度あってみたかったんだって。で、どうすれば金縛りにあえるのか色々研究してたみたいなんだけど、ある日、ついに金縛りにあったんだって!
それは夜中の4時頃の話。なんだか体が重くて苦しくてどうしようもなくて、目がさめたんだ。その体の重さがハンパじゃなく、身動き一つ取れず、彼女は「ついに金縛りだわっ」とおもって大喜びしたんだよね。 そして…しばらくその感覚に良いしれ、Bはふと布団の上を見たんだ……。
そうしたら何と!Bの布団の上にタンスがっっ・…倒れてのっかってたんだそうな。その時ほどガッカリしたことはない、とBは申しておりました。
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